労働条件

介護職員が出世を目指すべき4つの理由!人手不足の今がチャンス

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介護職員として働いている人の中に、出世を意識している人はどれほどいるでしょうか?

「昇格しても責任が増えるだけで、給料は全然上がらず割に合わない。出世なんかしない方がいい。」このように考える人も多いと思います。

確かに役職者の責任は一般職より大きいものですが、だからこそ感じられる働きがいもあります。また私の場合は役職者になってからの方が自由な時間の使い方ができるようになり、身体への負担も減りました。私は今、管理職として働いていますが、管理職になって本当に良かったと思っています。

実は、今の介護業界は最も出世しやすい状況にあり、目指すなら今がチャンスです。

この記事では介護職員が今こそ出世して昇格を目指すべき4つの理由をご紹介します。

  • 介護人材不足で役職者候補が少ない
  • 身体への負担が少なくなる
  • やりがいが大きい
  • 責任を自分一人でとる必要はない

出世・昇格に興味のある介護職員に参考にしてもらえたら嬉しいです。

介護人材不足で役職者候補が少ない

出典:平成30年度 介護労働実態調査 介護労働者の就業形態と就業意識調査 結果報告書 介護労働安定センター,2019

平成30年(2018年)の介護労働実態調査によれば、より上の職位を目指したいと考える介護職員はたったの24%となっています。昇格を目指す人は少数であり「今のままでよい」と答える職員が圧倒的に多いのです。

一方、日本では高齢化が進み、必要な介護職員の数はどんどん増え続けています。

必要な介護職員の数
2019年約211万人
2023年約233万人
2025年約243万人
2040年約280万人
出典:社会保障審議会 介護保険部会(第92回)資料1 厚生労働省 老健局,2022

2040年には280万人の介護職員が必要と推計されており、2019年と比べ約69万人も増やさなければいけません。

しかし現状では介護職を希望する人は少なく、人材確保に頭を悩ませている施設がほとんどです。

介護人材が不足している上に、昇格を望む職員も少ないとなると、役職者候補も当然不足します。つまり今の介護業界は役職者として抜擢されやすい環境にあります。

身体への負担が少なくなる

役職者は、当然ながら管理的な業務をしなければいけません。勤務表を作成したり、業務のシステムを見直したり、職員の相談にのったり、みんなの不満や愚痴に耳を傾けたり…。

これらは現場とかけはなれた業務です。介護現場が好きな人にとって、このような事務作業は苦痛に感じるかもしれません。

しかし、現場で働く時間が減ると、身体への負担が激減することが分かります。

また勤務人数や職員配置などを工夫すれば、自分を含めた職員みんなの業務負担を減らすこともできます。役職を得ることで、このような調整が可能になるのです。

年を重ねるにつれ肉体労働は大変になりますが、出世して役職につくことで身体への負担を調整し、より長く介護職として働けるようになるでしょう。

やりがいが大きい

介護職員のやりがいに関する内容人数(全218名)
利用者の笑顔を見ること60名
利用者・家族から感謝されること49名
利用者の身体・精神状態が維持・向上すること26名
チームで協働すること8名
出典:特別養護老人ホームにおける介護職員の仕事のやりがいに関する研究,小野内智子 他,大妻女子大学人間関係学部紀要,2014

介護職員のやりがいを調査した研究によると、やりがいを感じることが多いのは「利用者の笑顔を見ること」でした。続いて「利用者・家族から感謝されること」が挙げられています。

やはり介護職の魅力は、利用者と直接かかわることで感謝されたり、笑顔が見れたりすることだと分かります。これは新入職員だろうが、ベテラン職員だろうが、管理職だろうが変わりません。

しかし「利用者の身体・精神状態が維持・向上すること」にもやりがいを感じる介護職員が一定数います。

たとえ自分が直接かかわらなかったとしても、自分の考えたケアによって利用者の生活能力や健康状態が改善したら、それは大きなやりがいとなるでしょう。これは私にも経験があります。

また、少数ですが「チームで協働すること」にやりがいを感じる職員もいます。

チームでの協働を目指し、業務改善や人材育成、多職種間の連携作りなどに関われるようになると、利用者にもっともっと大きなプラスの変化を与えることができます。これを実現するには役職者、管理職の力が必要になってきます。

私は役職者として介護チームを動かし、利用者に最高のケアを提供することに最もやりがいを感じます。これを目指して日々管理業務をがんばっているところです。

役職者、管理職は介護職として最高のやりがいを感じられる魅力的な仕事と言えるでしょう。

責任を自分一人でとる必要はない

役職や管理職になると責任も大きいものになり、色々な悩みが増えるものです。時にはその精神的ストレスにつぶされてしまいそうになることもあるでしょう。

職種抑うつ尺度
(数値が高い方が抑うつ傾向)
役職者44.1
介護職42.1
看護職41.7
事務職37.6
出典:介護施設職員の抑うつ・ストレス反応と関連要因の検討 原田小夜 他,聖泉看護学研究,2013

ある研究によれば、介護施設における役職者は一般職よりも高い抑うつ状態だと報告されています。

でも、安心してください。出世しても、役職者だからと自分一人で責任をおう必要はありません。ある病院勤務の看護師を対象にした研究では、中間管理職のモチベーションを高めるのは「他者の支援・協力」だとしています。これは施設介護職員の役職者でも同様でしょう。

「他者の支援・協力」は役職者にとって必ず必要なものです。そして役職者をサポートするのは、役職者のさらに上司です。つまり経営上層部です。

重要なことは、上層部に対して丁寧でこまめな報告・連絡・相談をすることです。日ごろから積極的にコミュニケーションをとって、上層部と良い関係性を築いておきましょう。けっして役職者が自分一人で責任をとるなどと思わないようにしてください。

もちろん上層部側から役職者をサポートする体制を作ることも重要です。

【まとめ】介護職員は今こそ出世を目指そう

介護職員が今こそ出世して昇格を目指すべき4つの理由をご紹介しました。

  • 介護人材不足で役職者候補が少ない
  • 身体への負担が少なくなる
  • やりがいが大きい
  • 責任を自分一人でとる必要はない

出世を目指すなら今がチャンスです。がんばっている介護職員の人に、ぜひ出世を目指してもらえたら嬉しいです。

今の職場では出世を考えられない場合

今の職場に信頼できる上司や経営上層部がいない場合、出世を目指すこともためらってしまいますよね。

そんな場合は転職することも視野に入れてもらえたらと思います。今、介護業界はどこも人手不足です。求職者は引く手あまたであり、自分の希望に合った職場で働ける可能性が高い状況です。

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参考文献/URL

社会保障審議会 介護保険部会(第92回)資料1 厚生労働省 老健局,2022

令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要 厚生労働省,2020

平成30年度 介護労働実態調査 介護労働者の就業形態と就業意識調査 結果報告書 介護労働安定センター,2019

高齢者介護施設における男性職員の就業継続要因~3つの階層におけるフォーカス・グループから~ 吉岡洋子 他,関西大学『社会学部紀要』,2022

介護老人保健施設の看護・介護職が認識する職場の働きやすさ 清水みどり 他,新潟青陵学会誌,2009

介護施設職員の抑うつ・ストレス反応と関連要因の検討 原田小夜 他,聖泉看護学研究,2013

介護施設の中間管理職者の職務状況について 大村壮,日本心理学会大会発表論文集,2011

病院看護職における新任中間管理者の職務動機づけに影響する要因 山本雅子 他,日本職業・災害医学会会誌,2013

特別養護老人ホームにおける介護職員の仕事のやりがいに関する研究 小野内智子 他,大妻女子大学人間関係学部紀要,2014